語学センスのない者は壁をさげよ:その2【英語で学ぶ英語】

久々すぎる英語log。
今回は英語学習について本気で真面目に語ります(いつも真面目ではある)。

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▼誰が優しい言葉をかけてくれようとも自分には語学センスがないという自覚がある筆者は、「自分で自分にあった勉強法を見つけるほかない」と改めて気づいた前回のお話はこちら。

オーストラリアに来てから半年以上が経ちました。
英語の勉強はと言うと、やはり少しでもきちんと勉強した方が良いという判断で今語学学校に通っております。

周りは10代20代の若者ばかりなのですが、わりと楽しく、多分人生最後になるであろう学生生活を過ごせています。「学ぶ」ということに関しては平等で、年齢はあまり関係ないのかもしれません(もちろん習得スピードには差があるかもとも感じている)。

今回は英語で英語を学習している筆者が、気づいたことや今後に活かせそうなポイントをまとめます。

目次

英語で英語を勉強するということ

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英語で英語を勉強するという経験には、本当に多くの学びがあります。
一方で、自分がどうして英語を習得するのに苦労しているのかにも、何となく気づくことができました。

▶︎まずは英語で英語を学ぶメリットから。

あくまで個人的な視点ですが、トータルで理解しやすいことは大きなメリットだと思います。英語ネイティブの先生から教わると、日本語が第一言語の先生よりも「日本語の見解を経由しないスピーディさ」があると感じます。もちろん日本人の先生とは「ここが理解しにくい」という同じ感覚を共有することができる利点はありますが、その先の解決方法が重要です。共有したところで立ち止まってしまうことには変わりないのです。共有して満足してしまうことも多々あるので、必ず解決してから先に進みたいものです。

・英語の文法カテゴリーがわかりやすい
・文法用語の日本語訳に惑わされない、日本語経由なしなのでスピーディ
・ロジカルな言語なので英語で説明されても理解、納得しやすい

一方で、他の国から来たクラスメイトと一緒に学ぶ中で気づいたこともありました。
少々言い訳がましいですが……日本の英語教育を受けてきた人間のデメリットを痛感しました。

・日本語と英語は多分世界の言語の中でも一番と言って良いほど違うということ
・各国の英語教育の違いの差は結構大きい
・日本語で英語を学ぶ危うさ

他の国の学生のアドバンテージ

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筆者が通う語学学校には、アジアの国(韓国、タイ、ベトナム、モンゴル、ラオス、トルコなど)や南米の国(メキシコ、コロンビア、エクアドル、ブラジル、チリなど)からの学生が多く在籍しています。それ以外にも、スペインやイタリア、フランスなどヨーロッパの国から来ている学生もちらほら。

アジア言語(特に日本語)と英語は全然違う

アジアの国以外の学生は、主にラテン語の直系の子孫・ロマンス語系(スペイン語・イタリア語・フランス語)を母国語としています。英語の語彙の60%はラテン語から派生していると言われているため、単語の意味や発音、スペルには共通点が多くあります。つまり、彼らは知らない単語があっても母国語の意味や発音からある程度推測できる強みがあるのです。

例えば、英語で「anecdote(アネクドート)」と言う単語の意味がわからなかったとします。
日本人は単語の意味を知っていないと、この単語を含めた文章を正確に訳すことは難しいですし、スペルを知っていないと書くこともできません。しかし、スペイン語には「anécdota(アネクドタ)」という単語があります。「逸話、小話、ちょっとした面白い話」と言う意味で使われており、これは英語の意味とほとんど変わりません。

つまり、筆者と彼らはもともと学習のスタート地点が違い、「わからない」というポイントも違います。
その点は言語文化の面白さでもありますし、習得スピードの差を感じる悔しい部分でもあるのです。現に、彼らに聞くと英語を本格的に勉強し始めてから1〜2年ほどという人たちが多数を占めます。

そして筆者にしてみれば、今語学学校で学ぶことができて、改めて「類似性が少ない言語を習得するためには時間がかかる」ということを実感したとも言えます。

文法用語の日本語訳が足をひっぱる

英語で英語を勉強していると、日本で学生をしていた時よりも理解できることが多いなと感じます。それは、第一に英語の文法カテゴリーの分け方がシンプルだからだと考えています。
筆者がまさにそうだったのですが、英語文法用語の日本語訳がややこしくて、何を意味しているのかがわからなくなったり誤解をしてしまう学生は多いんじゃないかと思うのです。

仮定法を例に

仮定法現在仮定法現在完了仮定法過去仮定法過去完了それぞれどの時制で何を表しているかを説明できるでしょうか?(とっさに答えられた人は、ちゃんと理解して勉強を進めている人です)

例えば、下記の仮定法の説明文。

仮定法現在完了:現実的な未来の出来事を仮定
仮定法過去:現在の状況とは異なる想像や仮定

学生時代に初めて勉強したとき、「仮定法現在完了」という名前なのに未来の出来事を表すというモヤモヤがずっと頭の中で引っかかっていたことを覚えています。
ここに今この文字の羅列を見るだけでもじんましんが出そうです笑

一方英語では、仮定法のことをConditionals(条件文の意)とカテゴライズ表現し、その条件によってZero/1st/2nd/3rdという分け方をしています。上記の日本語文法例にあたるのは下記。

1st Conditional:起こり得る未来
2nd Conditional:非現実的で実際には起こり得ないこと

先にそれぞれのカテゴリーが何を表すときに使用するのかを明確にし、それぞれどのような文法になるのか(If+動詞の現在形, will+未来形みたいな)が後で説明されます

「カテゴリーをクリアにし、その後に詳細を解説する」というプロセス。違いはたったそれだけのことなのに、ストレスなく頭に入ってくるような感じがありました。
先にメインメッセージを伝えるという英語文化の話し方や、文法自体の表現に共通しているのかもしれません。

文法用語の英語訳

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他にも、文法用語をまず英語で覚え直す必要があります。

日本の英語学習でもSVOC(主語・動詞・目的語・補語)は頻繁に出てくるので良いとして、動名詞や不定詞、助動詞※などを表す文法用語が急に出てきたとき、慣れていないと理解が追いつかないことがあります。ラテン語圏はもちろんのこと、アジアの国でも文法用語は英語を使用している国があるため、日本人以外はウンウンと頷いていて、日本人は皆きょとんとしてるなんてことも多々ありました笑
※それぞれGerund/ Infinitive/Modal

語学学校でこうなのですから、帰国子女やインター出身以外で高校や大学に留学する学生たちの苦労が伺えます。
こんな底辺ブログで訴えても仕方ないのですが、日本でもできるだけ英語で英語を学ぶ仕様に変更していけたら、未来において海外で学ぶ日本人学生たちがスムーズに理解できるのではないかと強く思います!

ワードファミリーで覚える習慣

筆者も今取り組んでいて、今から英語を本格的に勉強しようとしている方々に強くおすすめしたいことをひとつ挙げるとしたら、それはワードファミリーで単語の意味やスペルを覚えること!

ワードファミリーとは、例えば下記の「expect(予期する)」という動詞の、名詞・形容詞・副詞などの派生語(黄色で囲った部分)を意味します。

普段からひとつの単語の意味を調べるときに、一緒にワードファミリーをチェックする癖をつけておけば、語彙が半端なく増えていくはず。特にスピーキングやライティングでの形容詞や副詞のボキャブラリーは、会話や文章のエッセンスになり表現力に直接影響します。
筆者は今その必要性を強く感じているので意識してやっていますが、これを中学生や高校生のうちからやっていたらどのくらい語彙力が身についたことだろうかと本当に後悔しています。

ロングマン現代英英辞典(必ず英英で)

ワードファミリーをまとめた資料や本は、なかなか良い物が見つかりません。
今筆者は、語学学校の先生に勧められたロングマンの辞書を使用しています。
前述の「expect」の例もロングマン現代英英辞典のwebバージョンで調べたものですが、ワードファミリーを調べたい場合は「英英」を使用することをおすすめします。

下図のように、「英和」にすると含まれる情報が変わります。他の単語を英和辞典で調べてみると、イディオム以外に比較級・最上級の変化などが掲載されているのですが、日本人ユーザーが必要としている(と誰かが思い込んでいる)情報が、「英英」ユーザーとは今は違うのかもしれません。

今回のまとめ

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英語で英語を学ぶ機会に恵まれた筆者ではありますが、己の不甲斐なさに毎日落ち込んでいます。この年での学生生活は正直つらいこともある。不安もあります。ですが、その度に「いい加減死ぬ気でやれ」とやる気を奮い立たせています。物価の高いシドニーにおいて結構な生活費がかかる中、学費をそれなりに支払っているわけですから、やらないわけにはいかないのです。それも尻を叩いてくれている要因のひとつ。

しかし。

やはり、言語を学ぶことは楽しいです。
様々な国のクラスメイトと共通言語である英語を通してコミュニケーションを取ることができる、それだけでも学んでいる価値があるというもの。

「学ぶことは楽しい」

すぐに忘れてしまうその気持ちを、まずは自分の胸に取り戻すこと。毎日そこからリスタートするくらいの気持ちで、もう少し頑張ろうと思います。

それに、世界の若い世代は本当に頑張っています。
皆とても真面目で、一生懸命で、この先の未来を自分で掴もうとしています。そのパワーを身近に感じられることは、とても貴重で良い時間です。

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