バターを塗ったパンが好きです。

▼ 最近やっと美味しいものを求めて街ブラをするやる気が湧いてきた筆者。レバノン系ファストフードを試してみたブログ記事はこちら。

Carriageworks Farmers Market
先日、久しぶりに晴れた土曜日。
シドニーのインナーウェストエリアにある下北的な若者の街(※個人の感想です)Newtownを午前中からプラプラした後、せっかくなのでどこか近くのマーケットにでも行こうと思い立ち、まだ行ったことのなかった「Carriageworks Farmers Market(キャリッジワークス・ファーマーズ・マーケット)」へ足を運びました。
セントラル駅のお隣「レッドファーン駅」周辺は、近年鉄道工場の跡地を再開発したエリアが人気です。再開発エリアは駅を挟んで割と広い範囲に及び、キャリッジワークスは駅の北側にあります。
キャリッジワークス自体は主にイベントや展示会場として使用されており、マーケットはその建物の前にある倉庫のようなオープンスペースで、毎週土曜日(8:00AM〜1:00PM)に開催されています。
お店は粒揃い

こちらがマーケットが開催されているエリア。
味わいのある壁面や屋根の骨部分がとても良い雰囲気を出しています。キャリッジワークス・ファーマーズ・マーケットの規模は、30店舗未満のやや小さめから中規模入口といった感じ。50店舗くらいの登録業者の中から毎回半分くらいが出店しているのではないでしょうか。
ファーマーズマーケットという名前の通り、見るからにパリッと新鮮そうな野菜が目玉のようで入口側の目立つ場所に何軒か八百屋さん(と言うのか?)が並んでいました。立派な葉っぱのついたラディッシュやコロッとした芽キャベツが美味しそうで、絶対消費できない量なのに買いそうになりました。
他には、畜産農家から直接届いたお肉やソーセージ、フレッシュミルク、珍しいチーズ、お花なんかも。見ているとご近所さんが野菜やお肉でパンパンになったエコバッグを両手に下げて帰る姿も多くあり、週に一度のスーパーマーケットへの買い出しのように利用をしている人も多そうでした。
シドニー大学なども近いエリアだからか、学生さんもちらほら。
日本にもロースターがあるSingle Oが出店していて、若者はコーヒー&ペストリーやホットドッグなどで休憩しているようでした。終了時間が13時と早目なので、午前中に行くのをオススメします。
Webサイトに出店登録されているお店の名前が載っているので、ご興味があればぜひ調べてみてください。
朝採れの新鮮なお野菜たち

様々な種類のジャガイモを売るおばさま

DATA
Carriageworks Farmers Market
所在地:245 Wilson Street, Eveleigh
Webサイト:https://carriageworks.com.au/events/carriageworks-farmers-market/
パンを買う
さて、筆者は無類のパン好きです(米も好きだが)。
小麦がいくらダイエットの敵と言われようが、健康に良くないと言われようが、筆者はパンが好きなのです。
美味しいパンは、シンプルに食べるに限ります。
特にバターを塗ったトーストには目がありません。
さて、今回マーケットでもパンを買ってみようと決めていた筆者。着いたらもう12時を過ぎていて、お客さんは皆さんお昼ご飯用のお惣菜パンやサンドイッチを買い求めており、どのお店も混雑。
マーケットが13時には終了してしまうこともあって、スタッフたちは片付けを始めている様子。
ゆっくりお店を選ぶ余裕もなく、比較的入口に近いベーカリーでサワードウブレッドを購入しました。
人気のSourdough(サワードウ)Bread
オーストラリアではベーカリーやスーパーマーケットなどで様々な種類のパンが購入できます。
考えれば主食はジャガイモとパンの国ですから当たり前なのですが、ヨーロッパスタイルの固め&酸っぱめパンから日本式の食パンみたいなフワフワパンまで、手に入れるのは比較的容易です。
その中でも、カフェのサンドイッチで使われたりブレックファーストメニューのトーストに主に使われているのは「サワードウブレッド(ローフ)」ではないでしょうか。
Sourdough(サワードウ、サワードゥ)は小麦粉やライ麦粉に水を混ぜ合わせて自然発酵させた天然酵母。発酵の過程で生成される乳酸菌によって、噛むと少し酸味を感じます。イースト菌で作られるパンよりもグルテン含有量が少なかったり栄養価が高かったりと、実は様々なメリットがあるようです。
日本のパンはもちろん美味しいと思っておりますが、筆者はこのサワードウブレッドも大好きです。酸っぱいパンと言えば、ドイツあたりより北の方でよく食されるライ麦パン(黒いやつ)はクセが強くて少々苦手。でもサワードウブレッドは酸っぱ過ぎず食べやすいし、トーストするととても良い香りで「パン欲」が十分に満たされます。
イギリス系オーストラリア人含む欧米の方々って、酸っぱいパン好きですよね。パンに限らずかもですが、男女問わず酸味を好むイメージ。
ちなみに、酵母菌の種類や粉との相性など「パンの世界」は本当に奥が深くて、非常に長くなりそうなのでここでは書けませんが、機会があれば土地や食文化との関係なども真面目に考察してみたいなと思っております。
パン迷子、解決

実はシドニーに来てから、「これは✨」と思うパンには出会えていませんでした。
ネットで紹介されている人気のお店や、インフルエンサーがオススメするベーカリーも試してみましたが、これも好みの問題。自分が好きな味に出会えないのはなかなか寂しいものがあります。
ただ、一度入ったカフェで「!?これは好み」と思ったパンがあったのですが、繁忙時間帯でスタッフに「どこぞのパンや」と聞ける勇気がなく。あれ以来、「あのパン、あれっぽいパン」を探して三千里、色々なベーカリーで買っては「今回も違ったな……」を繰り返していました。
結果から言うと、今回無事にパン迷子から脱却しました!祝!
出会ったのは「All Purpose Bakery」のサワードウローフ。結構有名店なので一度クロワッサンを買ったことがあるのですが、「ふうん、そっか」くらいにしか思わなかったんですよね(なんて失礼なのかしら)。
思い返せばその時サワードウローフは売り切れていて買えなかったので、やはり人気のパンだったのでしょう。
トーストすると表面部分がサクサクになり、香ばしさが蘇ります。シンプルがゆえに単調になりがちな主食系パンも、食感と香りにリズムがあるのでこれだけで3〜4枚はペロリといけます。
多分あの時カフェで食べたのも、ここのパンだったのではと推測。
しかし、今回はこの出会いの上を行くモノが現れました。
Pepe Sayaのバター

今回購入したベーカリーのお隣は、Pepe Sayaというブランドのバターを扱うお店でした。
そういや以前行ったカフェでメニューを見ていたら、パンケーキのメニュー名の下に「Pepe Sayaバター、選べます」みたいなことが書いてあったことがありました。
その時は
「フランスのエシレみたいな高級バターかな」
「ペペサヤって何語?ペペロンチーノの仲間?」
くらいにしか気を止めてなかったのですが、パッケージをじっくり見てみると”Australian Cultured Butter”と書いてあるではないですか。
「いい感じのパンを買ったし、バターも買っちゃお!」くらいのノリで、小さいポーションバター(確か$1だった)とクロテッドクリーム(確か$1.5だった)を購入。
早速家に帰ってパンとバターを堪能することに。

……このバター……旨い……旨いぞ!
ミスター味っ子の味皇(お願い誰か知ってて)の口から牛が出てくるくらいの嬉しい味わいではありませんか!
クリーミーさや乳の香りがちょうど良いバランスで、小麦の味と程よく調和する主張具合。
トーストした温かいパンに塗ると立つ香りは控えめながらも深く、しみじみ味わえる余韻がある感じもよき。
これは世間にバレる前に買い占めねば(もうバレてる)。
インナーウェスト発キャリッジワークス育ち

Webサイトでその歴史を調べてみると、Newtown近くの小さな工場で製造されたバターが最初に販売されたのは、今回行ったキャリッジワークス・ファーマーズ・マーケットだったそう!
このクオリティの高さをベースにここ15年で急成長を遂げ、さらにはコロナ禍もオンライン戦略で乗り越え(ロックダウンしたオーストラリアでも家庭で楽しめるベイキングなどに注目が集まったのはアツイ)、ついにアメリカにも工場が!えげつない右肩上がり具合で世界進出を遂げている様子。
ぺぺさんが作る製品の質の高さは当然として、CEOの奥様の営業の腕がとんでもないのかも。
世界的ブランドになりつつある今もあのマーケットに出店しているあたり、義理が感じられて良いなあと思ったり。密かに応援していきたいなと思いました。
パッケージの横顔おじさまはPepeさんがモデルなのかな。
