本屋さんが好き。

「本屋さん」の魅力は万国共通

近年本を購入するとなると、Amazonや大型書店のウェブサイトから注文&配達が簡単で便利ですよね。
むしろもう紙では買わずにKindleやKoboなど電子書籍を活用しているという人も多いことでしょう。筆者も日々電子書籍のお世話になっていますし、雑誌なんかはKindle unlimitedで読み放題になっているもので十分だなと感じているくらいです。
ただ、筆者はいまだに書店・本屋さんが大好物。「別腹」と言ってもいいかも。図書館も好きなのですが、やはり新書のチェックは本屋さんでしたい。他にもランキングの棚や本屋スタッフのチョイス、作家以外のカテゴライズで集められたコーナーをのぞいたり……本屋さんだからこそできることってあるんですよね。
シドニーの本屋事情

日本の街中にも個性が光る本屋さんがあるにはありますが、だんだんとその数は少なくなり大箱ばかりが残っていくのは避けられない変化なのかもしれません。少し寂しい気持ちです。
一方シドニーには、まだ結構な数のユニークな本屋さんが健在です。街中に大学が多いことも影響しているのかと考えますが、紙の本が好きな人が多い印象もあります。電車やバスの中で分厚い本を広げている人をよく見かけますし。
まずはどの本屋さんもふらっと立ち寄れる気軽さがあるのが第一の魅力。おしゃれなウィンドウディスプレイに惹かれて店内を覗いてみたくなったり、建物自体に雰囲気がある本屋さんも多い気がします。それに、オーストラリアの店員さんのフレンドリーだけど放っておいてくれる絶妙な距離感が良いのです。さらには、猫がいたりカフェが併設されていたり、そんな個性があるプラスαが付いてくるですから愛着が湧くのは必然なのでは。
特に「Dymocks」は、シドニーのみならずオーストラリアのすべての皆様に愛されている本屋さんの代表格ではないでしょうか。
長年愛される本屋さん「Dymocks」
「Dymocks」は開業してから120年以上の歴史を誇る老舗の本屋さん。現在オーストラリア全土で45店舗を展開しており、2024年には700万冊以上の書籍を販売したそうです。
シドニー中心部の店舗は、タウンホール駅からQVBを過ぎて老舗百貨店Myerのお隣と好立地にあります。
館内をざっくり説明すると、1階には新書や話題書と雑貨や漫画、2階は様々なカテゴリーの本たちとカフェ、地下フロアはお子様向けの本や学校のテキストブックや雑貨などがあります。
1階には財布の紐をゆるませる本や雑貨が山盛り
新書・話題書以外にもかわいいカードや雑貨に目移り

出入り口付近はレジやイベントスペースがあり、時々有名作家や著名人が新書発売イベントをしています。サイン本を手に入れたいファンの列や、一緒に写真を撮りたい人々でごった返していることもしばしば。
オーストラリアの作家のカテゴリーも

店内のカテゴライズはクラシックやミステリーなどざっくり分けではあります。が、本が探しやすいシンプルレイアウト。ところどころにソファやアームチェアが置いてあり、皆様くつろぎながら本を読んでみたり、パートナーのお買い物を待ったりしている姿が見られます。
店員さんはとてもフレンドリーで、本作の検索なども気軽に対応してくれます。地下のお子様コーナーのレジ横にはラッピングカウンターもありました。
さて、日本の本は本体と別にカバーが付いていることが多くありますが、世界から見ると結構独特の文化なんですよね。他の国々と同様、オーストラリアの本もカバーが別になっているものは少なく、表紙と本体が一体型がほとんどです。日本でいう「帯」のコメントさえも裏表紙に印刷されているのには驚きました。
ただデザインは多様で、コレクション用のデザインハードカバー本も多くあり、クラシックのリデザインやDymocksのオリジナル装丁本などはとても美しくて思わず手にとってしまうほどです。
2階には専門書コーナーやカフェが
料理本や旅行本のボリュームがすごい

オーストラリアの料理本、辞書みたいな分厚さと重さ!掲載写真はアーティスティックで文章のボリュームがあり、レシピや工程が重視される日本の料理本と違って「読み物」としての料理本が多いように思います。移民が多いお国柄か、トルコ料理やギリシャ料理などの料理本も目を惹き、新しい文化を知ることができてとっても楽しいです。
ホビーのコーナーには折り紙も

日本はオーストラリアでも人気の旅行先で、旅行カテゴリーでは「JAPANコーナー」もあるくらい。日本料理や文化も大人気で関連本もたくさん見かけます。日本人著者のものは少なめで、独自の感性や視点によるスタイリングやレシピは非常に新鮮です。何にしても、興味を持ってもらえるのは何だか嬉しいですよね。
カフェも併設

2階には、吹き抜けを囲んでコの字型に席が配置されたカフェがあります。スイーツやコーヒー以外にも、軽くランチもいただける居心地のよい場所でついつい長居をしてしまいそうです。
とにかく雑貨のセレクトがかわいい
本を探しに来るのはもちろんのこと、Dymocksは雑貨を見るだけでも楽しい本屋さん。時事イベントのアイテムやオーストラリアのお土産になりそうなアイテムもざくざく。アボリジナルアーティストの作品や、日本からの輸入ステーショナリーもあります。全部をじっくり見ていたら、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
特に本屋さんならではの雑貨には筆者も心を奪われており、シャレの効いたデザインポーチやTシャツは毎回「買うべきか否か…」と悩んでしまいます。
カラフルなカードは見ているだけで楽しい

乙女心をくすぐるアイテムたち

本屋さんならではのアイテムも

本Loverにはたまらない

ベジマイトグッズも

お買い物が楽しいだけでなく待ち合わせにも使えて、カフェでお茶もランチもできるファンタスティックでマーベラスな本屋さん。シドニーの街の中でも、筆者のお気に入りの場所のひとつです。
DATA
Dymocks Sydney
所在地:424-430 George St, Sydney NSW 2000
Webサイト:https://www.dymocks.com.au/
